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自分たちらしく暮らせるように家をリフォーム 自然・食・遊び  奥出雲での子育ては魅力がいっぱい

藤原 宏貴さん 有理さん

 

プロフィール

宏貴さん

奥出雲町出身。高校卒業後は保育士を目指し、鳥取へ進学・就職。

現在は奥出雲町の幼児園に保育士として勤務。

 

有理さん

鳥取県出身。自然が好きで、鳥取では農業に従事していたことも。

奥出雲の郷土料理「にしめ」や調味料を製造する会社に在籍(取材時は育児休暇中)

 

鳥取県で出会い、2014年 結婚を機に宏貴さんの実家へUターン。

3人の娘さんを育てておられます。

 

移住後に家をリフォームされたそうですね

宏貴さん:Uターンした当初は、実家の母屋で私の両親などと生活していました。子供がうまれて自分たちらしい生活を改めて考えるようになり、離れの部屋をリフォームして暮らすことに。もともと居住スペースではあったのですが、しばらく誰も使っていなかったので壁が傷んでいて。壁を直すのと一緒に、しっかりとした断熱材を入れたり、窓を二重サッシに変えたりしました。奥出雲は雪が多い地域なので、寒さや結露への対策は重要です。リフォームには住宅を改修するための助成金を使わせていただきました。助成金があるだけでも助かるのに、奥出雲町の制度だと、子どもがいる家庭には『子ども加算』まであってびっくりしましたね!

 

有理さん:子育てにお金がかかるので、住宅改修費を補助してもらえることはありがたかったです。子どもたちのことを思いながら動線を考えたり、危険がないように直したりした部分もあります。

 

奥出雲町での子育てには、どんな魅力があるのでしょうか?

宏貴さん:子育て中の父親としても、奥出雲町の幼児園で働く保育士の目線で見ても、ここは子どもたちに豊かな経験をさせてあげられる魅力いっぱいの場所だと思います。私は高校卒業後に鳥取へ進学・就職し、保育士として働いていたのですが、数年働いたのちに自分のやりたい保育とはどんなものかを考えるようになって。その頃、自然の中で幼児教育を行う、『森のようちえん』という活動に興味を持ちはじめました。私が理想とする子育てや保育は、自然の中でのびのびと行うことだと気づき、それなら地元の奥出雲町がぴったりだと思ったんです。

 

我が家の裏山はうちの子どもの遊び場として整備していますが、近くの幼児園のお散歩にも利用してもらっています。ここにはくるみやキイチゴをはじめ、食べられる植物が色々ありますし、キハダという木の皮で服を黄色に染めるなど、子どもたちはさまざまな自然体験を味わうことができます。屋内施設を駆け回っている時も楽しそうですが、森の中を冒険している時の子どもたちは、より生き生きとした表情になりますよ。

有理さん:私も自然豊かな場所がすごく好きで、奥出雲町への移住は賛成でした。初めて奥出雲に来た時「ああ良いところだなあ……」と、すっかり魅せられました。水がきれいで美味しい。だからお米も美味しい。新米は子どもたちもよく食べますよ!

 

奥出雲町で「なんだか幸せだな」と感じる瞬間を教えてください

宏貴さん:自然いっぱいの奥出雲で暮らす中で、子どもたちが様々なことを学んでいく姿に幸せを感じます。野花を摘んできて花瓶に生けて飾ってくれたり、薪ストーブに使うのにちょうど良さそうな枝を持って帰ってくれたり。ゴミを拾う姿が見られることも。暮らしと自然が結びついていると感じる瞬間に、たくさん出会っていますね。

それと、自然の中で子どもたちが思いもよらぬ遊びを始めたときは感動しますよ。

Uターンした頃は家の裏山は荒れていて、子どもたちが安心して走り回れるよう環境を整えたんです。すると、子どもたちは急な斜面を駆け上がったり、短い丸太を虫相撲の土俵にしたりと、大人の予想を上回る遊び方が次々と生まれて。感性が広がっていて良いなあと感じましたね。子どもたちの行動をヒントに、今度はどこを整備しようかと、私自身も遊び場づくりを楽しんでいます。

有理さん:畑で採れたさつまいもを薪ストーブで焼いたり、子どもたちと一緒にお菓子を作ったりして、「美味しいね」と言いながら食べる瞬間が幸せですね。作った料理を家族がたくさん食べてくれることも嬉しいです。

また、奥出雲町の人々が「にしめ」という伝統料理を大事に守っていることを知り、感銘を受けました。私は今、育休中ではあるのですが、「にしめ」や味噌などをつくる会社に在籍しています。「にしめ」は、さまざまな食材を味や色が移らないよう種類ごとに分けて煮る、とても手の込んだ料理です。お正月のおせち料理や冠婚葬祭など、家族が集まる時のごちそうであり、時期によっては地元の人からたくさんの注文が入ります。にんじん・椎茸・昆布などの他に、わらびやぜんまいといった山菜も使います。つまり、野山の植物が贅沢品として食べられているんです。こんなふうに、奥出雲の人々が自然の恵を大事にしている文化が素敵ですし、それを美味しくいただけるこの地域は幸せな場所だと思います。

 

 

 

 

2024.05.22