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“あなたらしさ”を支えたい

【プロフィール】

福岡県北九州市生まれ。島根大学医学部看護学科を卒業後、島根大学医学部付属病院へ就職。 

看護師として患者さんや家族さんと向き合う中、次第に地域医療に携わりたいと思うようになった。

空き家バンクのマッチングにより奥出雲町に移住し、もうすぐ2年。 

30歳。だんだんナースとして起業(看護師(保健師資格あり))。

※だんだん(山陰の方言)・・ありがとう 

令和 3 年 11 月からコミュニティナースカンパニー「ナスくる」事業を担当する。

奥出雲町や日南町を中心に地域住民との関わり合いを大切にしたいという想いを持って活動中。

 

◆奥出雲に移住したきっかけは、「空き家バンク」と「タイミング」

 奥出雲には、鬼の舌震や絲原記念館の茶房十五代、お蕎麦屋さんなど昔から妻と遊びに来ていました。

自然が豊かで、ご飯も美味しいので「奥出雲っていいところだなぁ。楽しいなぁ。」と思っていました。 

奥出雲で接する人もみなさん暖かくて、おもてなしの心がある地域だなとも思っていました。 

ある日、妻が「移住定住支援サイト DEEP TOWN OKUIZUMO」の空き家バンク情報で、「奥出雲ですごく良い物件があるよ」って教えてくれて、2019 年 12 月に物件を見に行きました。 

 ちょうどそのころ、看護師として救命や ICU の部署で働き、患者さんと向き合う中で、病気を治すことはもちろん大切なんですが、それぞれの患者さんが「今までどんな暮らしをしていたのか」「どう生きていきたいのかな』と患者さんの生き方を考えるようになり、地域医療にも携わりたいと思っていました。 

 また、お互いフルタイムで看護師として働いていて、保育所の送り迎えだったり、アパート暮らしで子どもが大きな声で泣いたら迷惑だったり、親子でいっぱいいっぱいな感じで「何のために生きているのか」と考えるようになりました。仕事に追われ、隣近所に気をつかって生きるより、のびのび暮らしたかったですね。 

 そんないろいろな思いも持っていたので、妻には「「物件が良かったらその日に決めるよ。」と言って、物件を見に行きました。 

 物件は、思っていたとおりの自然に囲まれた大きなお家で良かったんですが、妻は、自分で畑もやりたくて、大家さんに聞いたら「「畑も自分で作っていいよ」と言っていただきました。物件も良いし、畑もつくれるしということでしたが、やっぱり最後の決め手は、大家さんの人柄です。とっても朗らかな良い方で、今でも地域のこととかを教えていただきながらいろいろお世話になっていて仲良くさせていただいています。 

妻と相談して、「この物件にしよう」とその日に決めました。

◆奥出雲暮らしは「地域の方の暮らし」が見えて仕事にもつながる

 奥出雲に移住して不安な面もあったんですが、本当に地域の方が良くしてくれます。

 野菜のおすそ分けは日常茶飯事で、普段から何気ないことでも僕たちに声をかけてくれます。

心の距離が近いですね。隣までの距離は離れてますけど(笑)

 あと、奥出雲に移住するまでは、仕事と家の往復で、日々追われていたんですが、奥出雲の地域(集落)の中で暮らしたり、地域の方と交流することによって、地域のみなさんが朝早くから夜遅くまで田んぼや畑にいって農作業をされていたり、休憩時間にお茶を飲みながら世間話をしたり、「地域の方の暮らし」を見えてきました。奥出雲のみなさんは本当に働きものなんです。

 看護師なんですが、「地域の方の暮らし」が見えたことによって、患者さんを尊重して接することができるようになりました。

 例えば、「膝が痛い。」と言って来られたら、「膝を曲げたりすることはやめてください。」ってなっちゃうと思うんですが、その方の人生というかどんな風に生きてこられたかをイメージして「今までがんばって田んぼとか畑をされてきたんですよね。膝が痛いと思うので、休み休みしてくださいね。」と言う声掛けができるようになりました。その方にとっては、「農作業」が生きがいかもしれないので、それをすべて「やったらダメ」ってなってしまうと元気もなくなってしまうし、膝が治ったとしても、農作業をされる気力はなくなってしまうかもしれない。

 奥出雲で暮らすようになって、相手に合わせた対応ができるようになったと思います。

あとは、妻は、自然が好きで、畑もつくりたかったし、それが実現できていて、今、すごく楽しそうに奥出雲で暮らしています。想像はしていたんですが、僕の想像を超えてますね。隣まで離れているので、太鼓を叩いてもいいし、騒いでもいいし、自然の中で息子ものびのび成長しています。

 奥出雲は僕たちに家族にとって「最高のフィールド」です。

 

◆「あなたらしさを支えたい」  

 奥出雲町ではないですが隣の日南町で看護師をしています。令和3年11月にだんだんナースとして起業して、同時にクラウドファンディングを行いました。「日南町で健康おせっかいがしたい!」という内容で行って、50 名以上の方にご支援頂きました。

地域の人が住み慣れた町で「自分らしく」暮らすために、医療・介護保険外のサービスとして、自分自身ができることを模索したい。「訪問看護」という既存の枠組みではなく、人との出会いの中でニーズを捉えて、日南町の住民に必要なサービスを創造し、価値を提供できる看護師になりたいと思っています。

 今は日南町で「健康おせっかい」をはじめています。令和3年12月から令和4年4月までは毎週日曜日無料で、話し相手、畑仕事お手伝い、お出かけ付き添い、買い物の付き添い、受診付き添い、健康相談・体調管理、介護代行をお引き受けしています。 

 令和4年5月以降は、住民さんのニーズ分析を行った結果、地域に必要とされるサービスは何か考えた上で、必要とされるサービスを提供できるようにしていきます。

 奥出雲町の方でもサービスは受けられますので、ぜひ、お問合せいただきたいです。

 

◆「笑顔の瞬間」が僕のエネルギー

 僕が大切にしているのは「笑顔の瞬間」です。利用者さんとお話ししている時に「笑顔になる瞬間」があって、その笑顔からエネルギーをたくさんもらっています。笑顔があふれると「ありがとう」も溢れてきます。

 地域の人が「自分らしく」暮らすために伴走し、人と人との架け橋になり、「ありがとう」と「ありがとう」が循環する社会をつくっていきたいと思います。

◆奥出雲町の好きなところはどんなところですか?

 奥出雲の好きなところは「奥出雲の普通の暮らし」です。

 豊かな自然や農業、近所付き合い…普段の暮らしがとても好きです。

 奥出雲のみなさんは、本当に働き者で、人もあたたかい人ばかりで、良くしてくれます。

また、「おせっかい」が大好きで、手作りのカバンをくれたり、「これ美味しいから食べて!」みてとおすそわけをいただいたり…それが普通なところがすごいですね。

 

◆これから「だんだんナース」としてどうしていきたいですか?

 病気になった時に十分な医療や看護、リハビリ等を提供することは必要だと思います。

だけど、僕は、病気になる前、健康なうちから住民さんと関わって、その人らしい生き方を応援したいと思っています。楽しい、嬉しい、ワクワクすることを住民さんと一緒に創りだす看護を地域でしていきたいです。だんだんナースの活動や「ナスくる」の活動は相手にとっての wellbeing(最高の幸せ)を常に考えて看護をするので、看護の新しい可能性を秘めていると思います。

あと、やっていきたいのは、お年寄りと子どもが有機的にかかわれるようにしていきたいと思います。老老世帯や核家族が多くなる中、子どもがお年寄りに元気をプレゼントしたり、お年寄りが子どもたちに昔の遊びを教えたり、お茶をしたり、お互いにいい影響があると思います。人口減少している日本だからこそ、人と人が繋がり、各世代の強みをいかして支え合うことで豊かな暮らしができると信じています。

◎お問合せ先

だんだんナース 西田翔 TEL: 090-2711-9591 メール:n.sho.nursekuru@gmail.com

コミュニティーナースカンパニー株式会社

所在地:本社 島根県雲南市木次町里方 422 TEL:0854-47-7272

UPDATE 2021.12.20

Person

西田 翔(にしだ しょう)さん

Editor

あべぱん

今回は、だんだんナースの西田さんにお話しを伺いました。西田ファミリーが奥出雲暮らしを満喫している様子が伝わってきました。 奥出雲や近所のみなさんが西田さんに優しいのは西田さんがとっても優しい方だからだと思います。 だんだんナースの事業はまだ始められたばかり。「ありがとう」を循環させる西田さんをみなさんも応援してください!!