ふるさとのくらしと原風景を未来に伝え紡ぐ
和久利 健
和久利 健
奥出雲町三成地区三所生まれ。生まれも育ちも奥出雲町。59歳。
内装業/農事組合法人石原里田代表理事
農泊のできる古民家大上エの里(おおえのさと)外観
農泊のできる古民家大上エの里(おおえのさと)の部屋
大上エの里(おおえのさと)の古時計
◆農泊をはじめようと思ったきっかけは「日本農業遺産認定」
4年前、奥出雲町観光協会のサミーラさんが奥出雲町にUターンし、ここの古民家に一緒に来たときに、サミーラさんがここのロケーションと見晴らしに感動され、一緒にこの古民家を使って何かやりたいねと二人で話していました。
また、農事組合法人石原里田で田植えや稲刈り、芝桜を田んぼの法面に植えるイベント、餅つきなどの農業体験イベントを行っており、イベントに参加した方から、「奥出雲町ってすばらしいとことだね」「奥出雲町って空気も美味しくてとってもいいところだね」「仁多米がとっても美味しい」等々、たくさん褒めていただいて、外から見た奥出雲町って本当にすばらしいところなんだと再認識し、古民家を使って農業体験と宿泊を合わせた「農泊」事業をやりたいと1年前くらいから考えはじめました。
そんな時に、今年の2月に奥出雲町の「たたら製鉄に由来する奥出雲の資源循環型農業」の農業システムが中国地方で初めて「日本農業遺産」に認定されてました。改めて奥出雲町のたたら製鉄や棚田、たたら製鉄から生まれた奥出雲町の循環型農業システムの素晴らしさを知り、その素晴らしさをみんなに伝えるには「農泊」事業しかないと思い始めました。
ブランド米「仁多米」
大上エの里からの棚田と中国山脈の風景
◆ふるさとの良さを伝える「奥出雲町の当たり前は当たり前じゃない」
農業体験は、地元の小学生・幼児園の子どもたちにふるさとの良さを伝え、ふるさとを学んで知ってほしいと思って、農事組合法人でやっています。いつも地元の子どもたちには、奥出雲町の魅力や良さを伝えていかないといけないと考えています。奥出雲町の当たり前は実は当たり前じゃなくて、米づくりや笹巻などの季節の郷土料理をつくること、田んぼの畔の草刈りをして景観を維持することなど、日々の奥出雲町の人々の営みがとってもすばらしいんだよって。
今では、伝えていきたい思いが発展して、島根リハビリテーション学院の学生のみなさんの農業体験の受入れをしたり、町外の方に来ていただくイベントとして田んぼで米づくり体験や餅つきイベントもやっています。
農業体験をとおして、これからもふるさとの良さをもっと伝えていきたいし、伝えていかなければいけないと思っています。
田んぼで米づくりの様子
◆思いを行動に移し、実現させる原動力は「このままではいけない!!」という熱い思いと人の人つながり
「奥出雲町という町をたくさんの人に知ってほしい」という思いを、カタチにする原動力は「このままではいけない!!」という気持ちと「人と人とのつながり」です。
10年先、20年先の奥出雲町・集落の未来を見たときに、このままでは人口も減り、空き家も増え、集落がなりたたなくなる。「このままではいけない!!」という思いをいつも持っています。
今やらずに未来を待つより、今、行動して未来を変えていきたい、ふるさとの暮らしを残し守り、次の世代に伝えていかなければならない。
あとは、「人と人のつながり」です。いろんなイベントを通じて、人と人がつながることにより、輪が広がり、また、人とつながって、その輪が大きくなっていく。そのつながりで、仲間ができ、新しい企画ができたり、友達や家族を奥出雲町に連れてきてもらえる。やっぱり「人のつながり」「ご縁」ってすごいですね。
子どもにそば打ち伝える和久利さん
◆U・Iターンがひとりでも増えたらそれでいい。
10年くらい前から、毎年、三成小学校の収穫祭で10分間話をする時間をいただいています。
話しの中で私がずっと一貫して子どもたちに話していることは「ふるさと奥出雲町に戻ってこい」といっている
最近、先生からその話をした子どもたちがUターンでたくさん戻ってきていると教えていただいて、とてもうれしかった。
U・Iターンがひとりでも増えたらそれでいい。いきなり100人も200人も人口は増えないし帰ってこない。
子どもたちに奥出雲町の素晴らしさや魅力を話したり、思いを伝えたり…地道にやっていくしかないと思っています。
米づくり体験での田植えの様子
◆一番大切なことは「知ってもらうこと」
全国、奥出雲町と同じような町がたくさんある中で、奥出雲町を知らない人がほとんどです。
まずは、奥出雲町を知ってもらうことが一番大切だと思っています。
奥出雲町を知ってもらって、来てもらって、見てもらって、好きになってもらって、ファンになってもらう。
それからリピーターとして何度も奥出雲町に来てもらって、最終的には定住につながればいいと思います。
知ってもらう方法として、「旅行」や「食」がテーマのユーチューバーを呼んで、奥出雲町の魅力や農泊をユーチューブで発信したいと考えています。
中国山脈を眺める和久利夫妻
◆次は「仲間づくり」
まずは、観光協会と連携して、農泊・農業体験ができるところと農泊事業をやる仲間をたくさんつくっていきたいです。
仲間が多くなればなるほど、発信力も増すので、みんなでふるさと奥出雲町の魅力を伝えていき、未来に今の子どもたちに紡いでいきたいですね。
◎農泊料金:6,000円/1泊
◎農泊のお問合せ
和久利 健 ℡:090-7507-4310 mail:takeshi0602@yahoo.co.jp
奥出雲町観光協会 ℡:0854-54-2260