美しい文化遺産「櫻井家住宅」と癒しの「清聴庵」を楽しむ
こんにちは。
町外マガジンライターのみしましょうこです。
奥出雲町に来てまず向かったのは、櫻井家住宅と日本庭園です。
「櫻井家住宅」は、鉄師頭取の住宅です。たたら製鉄が盛んであった奥出雲は、松江藩の重要な財源でした。櫻井家は鉄師頭取としての職務を藩主から受けていたそうです。「櫻井家住宅」は、国の重要文化財、島根県有形文化財として指定されています。
まずは、「可部屋集成館」へ入場チケットを買いに行きます。紅葉が美しいです。
これは秋の写真ですが、新緑もきれいですよ。
櫻井家住宅は1738年に建築されました。280年もここに存在しているってすごいと感じますし、とても貴重な建物なのだと改めて思いました。長い歴史の中を生きてきた強さと、凛とした美しさを感じました。住宅を見ていると、静寂と建物が同居しているように感じて、不思議な気持ちになります。
住宅の縁側が二段になっています。これは、上段をお殿様が、下段をお付きの人が歩いたそうです。二段の縁側といった当時のものを見ると、お殿様が実在していたことを実感します。お殿様とお付きの方はどんな風に生活していたのだろうか、と想像してみました。
「櫻井家日本庭園」は1803年に作られました。庭を作る際に滝も一緒に作られ「岩浪」という名前です。そして、右奥には「掬掃亭」と呼ばれる茶室があります。お茶を立て、この庭や住宅でいただくことを想像すると、気持ちが落ち着いて「ふぅ」と息を吐きたくなります。
池には鯉がゆったりと泳いでいます。紅葉と太陽の光、まだ緑色の山に囲まれていると、時間の流れがとてもゆっくりで、特別な空間にいるように感じました。
住宅の前に川が流れていて、眺めることができます。自然に囲まれて生活していると、木々や植物が色を変えていくのが見えるので、季節を感じることができて素敵だなぁと思いました。
櫻井家住宅や庭園を歩きながら、どこか違う国や空間にタイムスリップしたような気持ちになりました。他の季節にも足を運びたくなります。
<櫻井家住宅と日本庭園>
島根県仁多郡奥出雲上阿井1655
0854-56-0800
9:00~16:30
休館・休園日:月曜(祝日の場合は翌日休)、12月中旬~3月中旬
入館料:400円
駐車場あり
続いて向かったのは、おいしいお蕎麦が楽しめる「清聴庵」。国道432号線を北へ、たたら角炉伝承館方向へ進んだ途中の道を入った場所にあります。お店の佇まいはどっしりとして趣があります。
お店の中は座敷で、落ち着いた空間です。カーテンなどはなく外の景色が見え、ゆったりとした雰囲気だけでなく、とても開放的でもあります。他県の方言が聞こえてきて、県外からもお客様が来る人気店であることが伺えます。席に着くと、もみじが風に揺れる姿や、川が見えてとても美しいです。
清聴庵のお蕎麦は、そば粉と水のみで打ったものです。奥出雲町阿井地区で栽培した小そばを櫻井家住宅(奥出雲にある国の重要文化財で、清聴庵の近くにあります)にある水車小屋で搗き、そば粉にしたものを使用しています。
とてもお腹が空いていたので、がっつり食べたい!ということで、「釜揚げてんぷらセット」(1,200円)を注文しました。
温かいお蕎麦をすすりながら、やっぱりお蕎麦っておいしいなぁと実感。セットのてんぷらには、肉厚の奥出雲舞茸があり、こちらもおいしい。初めてりんごの天ぷらも食べて、大満足でした。
お蕎麦を食べ終わった後、近くの川へ散歩に行きました。流れている水に手が届くほどの距離まで近づいたのは数年ぶりです。川の中に手を入れてみたり、足元に気を付けながら歩いたりといった行動は、子供の時に戻ったような気持ちになって楽しかったです。赤く染まったもみじが水の中に沈んでいる姿や、水面に浮かんでいる姿はとても美しいです。水の流れる音を聞いたり、滝のしぶきを見たりしていると、とても癒されました。
おいしいお蕎麦を食べに清聴庵へ行ってみてはいかがでしょうか。
<清聴庵>
島根県仁多郡奥出雲町上阿井764
0854-56-0800
11:00~なくなり次第(土・日曜日・祝日)、紅葉シーズンは毎日営業
定休日:12~3月中旬
駐車場あり
今回「奥出雲町まち・ひと・しごとセンター奥サポ」の磯田さんに、奥出雲町を案内していただきました。
移住・定住のご相談は奥サポへ!!
取材・文/みしましょうこ