奥出雲の良さを知ってもらうために
石田 信雄さん Uターン
【プロフィール】
石田 信雄さん
奥出雲町生まれ
高校卒業後、関西の大手スーパーで勤務し、20歳で実家の豆腐店を継ぐ
2022年6月にゆば作り体験などもできる豆腐の直売所をオープン
【Uターンのきっかけを教えてください】
私が20歳のときに先代の父が亡くなり、もともと店を継ぐ予定だった兄が大学在学中だったため、兄の卒業までの間だけ自分が店を手伝うということになっていました。
ですが、家族と話し合った結果、店はそのまま私が継ぐことにしました。
その当時は、田舎が嫌で「いつか横田から出たい」と思っていたので、あまり仕事にも身が入りませんでした。
そんな状況を見兼ねた従業員が辞めていったり、お客さんも次第に離れてしまったりして、売上が減少していきました。
そうしてやっと、私もこの状況をどうにかしなければと危機感を持つようになり、日本各地に視察に行ったり、住み込みで一から豆腐作りを学び直したりして、国産にこだわった現在の製法の土台を築きました。卸しにも力を入れはじめ、奥出雲だけでなく雲南や出雲などにも販路を拡大していきました。
【今の場所になってどうですか?】
豆腐の直売所という、かねてよりの夢が叶ったことがなによりの喜びです。
世間では、豆腐は一つの家庭に1丁あれば十分だし、豆腐屋さんにわざわざ行かなくても、スーパーの買い物のついでに買えるものだと思われているので、当初は豆腐だけで直売所をするのは難しいだろうと思いました。
いろいろ調べても、豆腐屋さんで成功している例はあまりありませんでした。
今の場所に移ってから、製造所だけでなく直売所もできたので、スムージーやジェラートの販売をはじめたり、ゆば作りの体験をしてもらったりできるようになりました。奥出雲町外から観光に来られる方に、スムージーやジェラートなどのテイクアウトしやすいものだったり、ゆばすくいという他ではめったに体験できないような参加型のアクティビティだったりを目当てに足を運んでいただくついでに、直売所に並ぶお豆腐などを手に取っていただきたいと思っています。また、姫そばで有名な『ゆかり庵』さんの近くでもあるため、道中に立ち寄っていただけるというのも、立地の良さだと思います。
【スムージーやジェラートについて】
現在売店で販売しているスムージーは、全部で12種類あります。さらに最近では、5種類のジェラートも新発売になりました。どちらも原料となる野菜や果物はできるだけ国産を選んでいて、ホウレン草やブルーベリー、トマトは地元の奥出雲で縁のある方のものを使わせてもらっています。また、乳製品や卵なども使っていないので、アレルギーがある方でも安心して食べていただけます。そして添加物が一切入っておらず、ジェラートは“溶けやすい”ということで、“魔法”とかけて“シンデレラジェラート”いう名前にしました(笑)
【ゆば作り体験について】
一風庵の看板メニューとして知られている「ゆばそば」は、奥出雲とうふ・いしだのゆばを使用しています。一風庵で召し上がられた方が、「美味しかった」と言ってお店まで来ていただくことも多いです。
直売所の体験コーナーには、湯葉を美味しく召し上がっていただくための各種調味料を揃えています。
調味料にもこだわりがあって、奥出雲町が誇る醤油の2大巨匠である井上醬油さんや森田醬油さんをはじめ、海士の塩や自家挽き黒大豆きな粉など、20種類以上を揃えています。
スムージーやジェラートもそうですが、“種類が豊富”というのは、私が特に意識して心がけていることでもあります。というのも、直売所に来てくださったお客様に、“選ぶ楽しさ”を感じてほしいからです。
ゆばすくい体験をされる方々が、ゆばができるまでの間に、ご家族やお友達と「どの調味料にしようか」と楽しそうに選ばれている姿を見て、嬉しく思います。醤油などは普段同じものを選びがちだと思うので、この機会にいろいろな調味料を試してみて、新しい出会いや発見になったらいいなと思います。
【防災の設備や井戸があるとお聞きしたのですが、なぜ整備しようと思ったのですか?】
新しい工場を現在地に建てるために必要な条件がいろいろあり、結果的に、自家発電設備や炊き出しのための設備などをつくることになりました。
また、奥出雲とうふ・いしだでは豆腐作りに井戸水を使用していますが、その井戸も新しい工場に移転してきてから、調べてみたところ地下に水があるとわかったため、掘ることにしました。
豆腐の90%は水でできていて、豆腐作りには水が大切だとわかっていたので、水にこだわった豆腐を作りたいと長年想い続けていました。
現在奥出雲とうふ・いしだは、地下60mから汲み上げた水を使っているのでさらに美味しくなっていると思います!
【奥出雲町のお気に入りスポットはありますか?】
なんと言っても、“緑”が好きです。
特に新緑が好きで、お店からは田んぼや高校、船通山と広く見渡せますが、その中にもさまざまな緑が見えるのがお気に入りです。
【今後の目標を教えてください。】
スムージーやジェラートなどの新しい取り組みを始めたので、今後は情報発信などでこの取り組みを浸透させることに力を注いでいきたいと思っています。
他にも、うちにくる理由(うちだけにあるもの)を考えていきたいと思っています。例えば、僕が大事にしていることの一つに店の雰囲気の良さがあるので、お客さんとのコミュニケーションを取るようにしています。
コロナ禍の現在、物を買うだけでなく”人に会い”に来るという方も一定数おられるように感じているので、来て下さった方との会話はとても大切にしています。
【最後に一言お願いします。】
「来てみること!」
他の人から奥出雲町のことを聞くことも良いですが、まだ来たことのない人にはぜひ足を運んでもらいたいです。そして、この奥出雲町の雰囲気を肌で感じてもらえればと思います。
【お問合せ先】
奥出雲とうふ・いしだ
〒699-1821 島根県仁多郡奥出雲町稲原32-6
TEL:0854-52-0174
ホームーページ
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