圧巻の光景!地域観光資源になる、ダムの見える牧場。
こんにちは!
移住・定住コーディネーターの磯田です。
今回は、奥出雲町の広い草原で牧場を営む大石亘太さんにお話を伺ってきました。
プロフィール
大石 亘太(おおいし こうた)
昭和59年生まれ。高校まで松江市で過ごし、その後広島大学の農学部に進学する。そこで牛の放牧を研究をする。
27歳のとき自然豊かな奥出雲町に移住し、尾原ダムを一望できる「ダムの見える牧場」の経営を始める。現在は3人のお子さんを持つ父親でもある。
牛の放牧にのめり込んだ大学時代
放牧の研究がおもしろかったので、すぐにのめり込みました。牛を放牧すると何が変わるのか、何がおもしろいのか、経営の在り方やいろんな可能性を感じたので、自分でもやってみたい!と思ったんです。
放牧すると、まず牛がよく歩きますので健康で長生きになります。また、牛が歩くことで人の目を引く風景が生まれて、長い間には草原性の植物の成長が促進され、うまくいけば綺麗な景観ができます。ここが面白いところだと考えています。時間が経てばたつほど、美しい牧場になる可能性があります
酪農家になりたい!の思いを実現するまで
大学卒業後、山口県にある牧場にひとめぼれし、そこで牛飼いになろうと思いました。しかし年配の方が細々とやっておられる牧場だったので、経済的にずっとそこで働くわけにはいかず、畜産協会に就職しました。主に牛の血統登録や改良、一部放牧の推進や、経営のコンサルタント。多岐にわたる業務をこなし、農家さんのフォローをするような4年間を送りました。
26歳の頃、木次乳業がホームページで新しい酪農家を募集していました。募集の要綱は、放牧をとりいれた経営をすること、40歳以下の若い夫婦であること、木次乳業に雇われるのではなく自分で農業経営をする気がある者。自分の理想通りだったのですぐに応募しました。そして採用され、仕事を辞めて奥出雲町に移住し、「ダムの見える牧場」を開きました。
牛に餌をやる大石さん。牛たちの勢い、すごいです!
〝ダムの見える牧場〟は地域観光資源になりえる。
「牛は景観動物だ」というのが僕の恩師の教えで、牛が外を歩いてると絵になると。そして牛が草を食べ、短い草地が保たれて、草原ができ、牛がそこで寝ると、そこに景観が生まれる。牛は風景を作る動物です。この地で放牧をすれば、それが地域の魅力になりうる。そうすることで、僕は奥出雲町に貢献したいと思っています。ダムの見える牧場があることで、奥出雲町の力になれたらと思っています。
たくさんの牛(搾乳牛32頭、育成牛11頭、ブラウンスイス8頭)を飼っておられます。近くで見ることができ、圧巻の光景です。
大石さんの牛の乳は、おとなり雲南市の木次乳業に出荷されています。
最近はバターづくり体験をやっておられます。
奥出雲町観光協会のホームページ https://okuizumo.org/jp/plantour/detail/1818/ から申し込みができます。
パンに乗せると最高!手作りのおいしさが楽しめます。
手作りバターは、市販のものと違って塩が入っていない無塩バターです。ですので、塩も一緒に出して、お客様がセルフで味付けして食べてもらってるそうです。また、水分も市販のものほど飛んでいませんので、かなりクリーミーなバターになります。
家族との関係
妻は徳島県の出身で、奥出雲町の寒さにまいっていたこともありましたが、ここ何年かは暖かいので大した問題ではないようです。
「住めば都」だと言って笑っていました。
最近は、子どもたちが牛を連れて出てくれたり、掃除もしてくれるので本当に助かっています。
牛舎の掃除をする娘さん。
カラフルにペイントされた牛舎。下地は地元のアーティストさんが書かれたもので、10組くらいの親子が1頭ごとの牛の絵に好きに色を塗られたそうです。
やさしい色合いで、とってもかわいかったです!
近くにある布勢小学校の子どもたちは、毎年牛の絵を描きに来てくれるそうです。
いつか公園みたいな牧場を作りたい
この牧場をすごくきれいにして、いつか公園みたいな牧場にするのが目標です。この風景を見ながらうちの牛乳を使ったソフトクリームやお菓子が食べられる店舗を立てて、誰もが行きたと思うような場所を提供したい。その店舗の2階は、足が延ばせるような和室にして、ダムや牧場やサイクリングイベントを眺めたりできて、楽しめるような感じにするのが夢です。
放牧をしているということを活かして、地域資源としてここにこの牧場がある意味があるといいなと思います。