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2か月の滞在型しまっち!で感じた三沢地区のにぎわいと暮らしがい

 

こんにちは。はじめまして。ちはるです。
滞在型しまっち!で7月~8月末までの2か月間、三沢地区に滞在させていただきました。

今回は、滞在してどうだったのか、三沢の魅力についてお伝えできたらと思います。

 

▼しまっちとは▼

「滞在型しまっち!」とは島根定住財団の企画としてこんな方を対象に中期的に島根の特定地域で、地域の一員として、地域と関わり・交流し・過ごす制度です。

・地域を一緒になって盛り上げて欲しい
・中期的に滞在し、地域の“日常”を体感しながら、地域活動をサポートして欲しい
・滞在しながら、あなたらしい島根との関わり方を見つけて欲しい

また地域活動を64時間/月すると、活動に必要な経費約9万円が助成金としてサポートされます。

(引用元:「1~3か月間、島根に滞在しながら地域を盛り上げてくれる『滞在型しまっち!サポーター』を募集します!!」)

 

滞在のきっかけは地域の熱量に惹かれて

去年の8月頃、地域起こし協力隊の知人からこの町は「町のモチベーションが自分の熱量になる」という言葉に惹かれて、以前から気になっていました。
ちょうど今年の4月に思い出して、Facebookで奥出雲と検索をすると、「滞在型しまっち!」の募集広告を拝見しました。

私自身、学生時代に村留学をしていたり、地域と関わることがすきだったので、思わず目に止まりました。
そして、なんと知人が関わっている「ゲストハウス(SLOW HOUSE@okuizumo)に、改装工事をしながら暮らせる」と聞いて、すぐに応募申し込みをしました。

 

2ヶ月間地域の思いに触れた暮らし

目的としては、地域の方の人生や日々の出来事を残したいと思って、この町にやってきました。
とある患者様をお看取りする際に人生のお話を聞く時間が残されておらず、もっとその方を知りたかったという心残りがありました。その後悔から、昨年1年間無職で全国の旅をしたときに、旅人の人生史を書き残すようになりました。そこから絵で残すことが楽しくなり、看護師の傍らイラストを書いています。

この2か月の滞在で、たくさんの地域の方の思いに触れて、暮らすことができたらいいなと思っていました。

 

都会では味わえないあたたかな滞在経験

 

「滞在型しまっち!」の内容としては

①滞在するゲストハウスSLOW HOUSE@okuizumoのお手伝いです。
②まちあかりの準備~当日のお手伝いです。

 

①SLOW HOUSE@okuizumoのお手伝いでは
・地域の方々と養生テープを貼ったり、パテで塗装してビス穴を埋めたり、ペンキを塗ったり

▼工事中と工事終了

 

地域にはてごす(手伝う)文化があって、地域の方々がお仕事の合間を縫っててごす様子に惹かれて、私も思わず”てごし”をしてみたくなりました。

 

そんな思いに自然となれて、手伝いをできてうれしかったです。地域の方曰く、遊ぶことは「自分で創ること」だと仰ってて、私も何か小さな生産をしたくなりました。

 

②まちあかりでは

・ゲストハウスSLOW HOUSE@okuizumoのパンフレットを作る

・みざわ十七夜囃子保存会に篠笛で出演する

・オープニングで初司会

・司会の最中気づいたら、奥出雲かぶりもの巡りさんの着ぐるみを着て踊っている
・盆踊りに参加して、都会では見られない長唄に合わせて踊る盆踊りを体験

 

などなど地域に来て2か月ばかりとは思えない、ありとあらゆる経験をさせていただいて、町の賑わいを肌で感じることができました。

 

それ以外にも、

・移動販売のともに号に乗車して地域の方の見守りのお手伝い

▼地域にお住まいのご高齢の方々が、背中をかがめてともに号に集まって来られます。利用者さんが私のことを見守ってくださっているようで優しさが嬉しかったです。

 

・地域の方のご自宅にお邪魔して人生のお話を聞き残したり

▼三沢城の当主三沢氏の絵巻物家系図、いただいたスイカとお赤飯

お会いする度に、畑のおすそ分けやごちそうをしていただき、地域の方の温かさを感じることができました。

▼地域の方のお話

地域の歴史名人の元へ行って、地域の歴史を聞いたら、町の方々も知らない内容。町の方に三沢の歴史の魅力をお伝え出来て嬉しかったです。

 

・雲南のコミュニティーナースのおせっかい会議でイラストで絵巻物を書いてみる
▼おせっかい会議の様子

 

会議は、空き家活用の内容で、地域の思いや伝承に触れて、もっと書き残していきたい気持ちが強くなりました。

 

・地域の学校/公民館の授業、町役場の会議に参加して、お話の内容をイラストで議事録を書いてみる

▼公民館で夏休みの特別企画のグラレコ「世界を知ろう」

▼町役場主催の「奥出雲みらい会議」のひと図鑑

町役場の会議では、はじめてお仕事としてのご依頼をいただいて、奥出雲の人の魅力をつなげることができてうれしかったです。

 

・町のキーパーソンのカバン持ちをしながら、グラレコしてみる

 ※ グラレコ(グラフィックレコーディング)とは、会議やプレゼンの内容を絵や図形などのグラフィックを用いてまとめる手法のことです。

 

▼動画

町への熱い思いと、その方が町に携わる理由を知って、より一層三沢の魅力が増しました。

 

・金吉屋大作戦という地域のBARでお手伝いをしたり、町の方の熱い思いに触れたり

 

・奥出雲はじめての起業じゅくに参加する(8月~11月現地開催)

▼はじめての起業じゅくの様子

いろんな経験をさせていただき、イラストやグラレコを書き残すにあたって「思いを伝承する/伝える」ことに、わくわくして、もっと形に残していきたいと思って参加することにしました。

 

「暮らしがい」と「にぎわい」から感じたこと

滞在を通して特に良かったことは「暮らしがい」の町を知れたことです。

三沢に来て最初の説明で、この町は「にぎわいの先をつくる」ことを大切にしているとお話を聞きました。

▼説明会の動画

 ↓動画はこちら

 

ここで言う「にぎわい」とは、客観的な歓声の声ではなくて、もっと主語が小さくて主観的な「1人1人のわくわく」だそうです。

 

印象に残った気づきとして、三沢の夏祭りは「みざわまちあかり」というのですが、当日の参加者の方も、準備してきた出展者の方も、本当にみんながみんな、とっても楽しそうなんです。

その「1人1人のわくわくの心」が「にぎわい」、暮らしのなかの「暮らしがい」へ。

 

「まちあかり」の明かりに照らされた1人1人のわくわくが、光っているようにみえて、その楽しさが「まちのあかり」のように思えました。

 

色んな方の思いの詰まった光が綺麗で、その「にぎわいの先」の風景を見て、こちらまで思いがじんわり熱くなりました。

 

まだ2か月しか滞在していませんが、東京からお祭りに来てくれた友達に、なんだかちょこっと誇らしげに町のことをお伝えできて、嬉しかったです。

 

私は看護師として働いている時、病院の患者さんの部屋の窓から景色を眺めるときに何か引っかかるものを感じました。

 

わたしの「暮らしがい」をつくること

生きることと楽しむことが別々の場所にあったり、背伸びすることも素晴らしいけれど、もっと自然で無理のない形で、日常生活の中にのんびりとした生きがいがあったらいいなと。それは、「暮らす」と「楽しむ」があって、その調和した「暮らしがい」があるような感じです。誰もが自分の暮らしの中に幸せをつくることができたらいいなと思っていました。

 

その理想の「暮らしがい」を、三沢で見つけることが出来ました。

 

私にとって、三沢の「暮らしがい」ってなんだろうと考えると、根底にあるのは、「どんな時でも居心地がいいこと」なのかもしれません。

ほかにも魅力はたくさんあって、その一つは、「やりたいことをやりたい時にできる」こと。それは応援してくださる町の方々あってこそです。本当にたくさんのことを教えていただき、環境を作ってくださり、町の方々のご厚意に感謝しています。

 

2か月間の短い間で、三沢でたくさんの夢が叶いました。

 

移動販売、畑を耕す、グラレコのお仕事、歴史を聞く、麻雀、朝ラジオ体操、トラックの荷台を体験、お祭りのお囃子に参加、地域のおすそ分けをもらう、DIYでペンキに触る、BARのお手伝いをやってみる、鮎を掴んでみる、などなど。(濃縮)

都会にいたら出来ないようなご縁や出来事が2か月のうちに、全部叶ってしまいました。

あまりにも、どんな時でも居心地がいいので、滞在を延長して2拠点生活を本格的にできたらいいなと思っています。

いろんな方法を、定住財団さんや役場の方々をはじめ、地域の方々のお力をお借りして、検討しているところです。
わたしはなにせ小心者で、以前の私なら、決めることにすぐドキドキして、不安になってしまうのですが、現在は、色んな方々に相談させていただいたおかげで、私1人じゃないこともあって、なにがあっても、どんな選択をとっても楽しめるので、大丈夫だと思っています。

 

これからの私の未来がどう変わっていくか不安だけど、どちらかというと安心。ご縁に流されて浮き輪をはめているようです。

 

それは、どうしてかというと、どうしようもなくなった時に「思い浮かべる顔の数」が多いからだと気づきました。

困りごとを相談するのが苦手な私でも、たくさん小さく相談ができる。なんだか遠くから、見守って、見守られている。各々いろんな場所でお会いしてた方々が、この夏祭りで同じ場所に顔を並べました。

 

「あら、○○さん、お世話になっています」とにこにこ、ぺこぺこと、あちらこちらの顔見知りの方々に会釈を交わして、お顔をみたら、なんだか安心。

「なにかがあってもたぶんこの町ならきっと大丈夫」そんな小さな自信が積み重なったように思いました。

そんな素敵な町だからできること。安心しながら挑戦をして、わたしの暮らしがいを、これからもみなさんのお力をお借りしててつくりながら、いつの日か、町の熱量を私なりの方法でお返ししていけたら嬉しいです。

 

この場をお借りして関わっていただいた方々にお礼をお伝えさせてください。本当にたくさんありがとうございました。また奥出雲や三沢で見かけたら、声をかけてくださったら嬉しいです。

もしご興味ある方はぜひ三沢に遊びに来て頂けたら嬉しいです。お待ちしています。

 

2024.09.12